井口真理子YouTube展

5/21より、河岸ホテルにて『井口真理子YouTube個展』のオンライン、オフラインでの同時開催が決定しました。現実空間と非現実空間の狭間を行き来できる展示を是非現地とHomeの両方でお楽しみください。
スケジュールの詳細はfacebookイベントページにて更新してまいります。
https://facebook.com/events/2884307891686205/

美術家井口真理子が公開滞在制作し、エントランス上部壁面に一定期間展示をするプロジェクト。またその制作風景あるいは展示風景を背景にして作品解説やダンスパフォーマンスを織り交ぜた動画を撮影し、「井口真理子YouTube個展」というオンライン個展としてYouTube上で配信する。

ホテルエントランスのメイン廊下(広場)を「河岸」に見立て、その広場を両側で挟んでいる、東側上部壁面を「此岸」、そして西側上部壁面を「彼岸」に見立て、それぞれ「此岸」には「コロナ禍の京都」を、「彼岸」には「コロナ後の京都」を描く。この「此岸」と「彼岸」の対比構造は一方で、「洛中洛外図屏風」のオマージュとも相まって、非常に仏教的かつ京都的なモチーフである。

京都市中央卸売市場に位置する河岸ホテルはかつて青果貯蔵施設と社員寮であった。市場は昔「河岸(かし)」と呼ばれていたことから、 仏教など東洋の死生観で重要なモチーフでもある「河」という概念を掛け合わせて「河岸ホテル」と名付けた。

井口真理子のアートワークシリーズ「NEW PEOPLE」でもそうした東洋的・仏教的思想が色濃く出ている。「時空間をまたぐ新たなる人類」は、得てして「涅槃の境地、無私の境地」を遊泳する神聖な存在に映る。彼らは常に創造物を放出しているのだが、今回は その創造物である「SPITUNE」たちが洛中洛外図的、鳥瞰図的に京都を浮遊し、「NEW PEOPLE」から見た私たち現代人「HUMMY」を不思議に観察している風景を二枚仕立て、 「此岸(=コロナ禍)」と「彼岸(=コロナ後)」として表現するものである。 「彼岸」には未来への希望を込める。

●滞在制作作品情報:

素材:パネル、キャンバス、アクリル絵具
サイズ:130cm x 230cm x2 (二枚連作)

●実施方法:

滞在制作期間は町の行き交う人々に開かれた環境で、常に換気の行き届いた空間で、ソーシャルディスタンスを保ちながら自由に制作風景を鑑賞してもらったり、交流が図られる。

また、制作現場をリモート中継し、オンラインの鑑賞者にも活動を公開したり、交流を図ることも企画している。公開滞在制作期間は、5月21日より6月14日。展示は6月23日まで。第2弾も企画中で、自身のスタジオで制作したものを搬入したり、ホテルで設営しながら完成させるインスタレーション作品も構想中。

●アーティストコメント:

コロナの影響で、数ヶ月前まで活況の渦にあった京都は静まり返り、あらゆる観光産業が瀕死の状況である。それはアーティストの現状とも重なり、発表の機会を失った作家たちの声も静かになっている。私は、京都経済の柱、活況の核ともいえる”ホテル”という場所から、何とかささやかながらでも制作継続中の表現者の息吹を京都という町に届けたいと思う。
制作中の様子を中継し、京都の人々、また京都以外の地の人々にも届け、文化はどんなことがあってもその歩みを止めないことを、行動で示したいと思う。また、そうした行動 や取り組みが、アフターコロナにおける持続的な関係性を構築し、文化創出のバトンが引き継がれる下地となることも、このプロジェクトに寄せられる期待である。
artist’s website: https://www.youtube.com/watch?v=N8gL_2ljMl4

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